一生涯にクルマにどれだけお金がかかるかって、気になりますよね？

クルマを持つことは、多くの人にとって一般的なライフイベントですが、それに伴う費用はしばしば見落とされがちです。まず、車の購入自体が大きな出費となります。例えば、コンパクトカーの購入価格は約150万円から。さらに、自動車税や重量税、自動車保険などの年間固定費用も加わります。自動車税は車種や排気量によって異なり、重量税は車検時に徴収されます。そして、保険料も無視できない重要な要素です。

日常生活においては、ガソリン代、修理費、駐車場代、有料道路料金などの維持費が毎月かかります。これらは使用頻度や運転スタイルによって変動します。加えて、車の買い替えサイクルも大きな費用要因です。平均して7.1年ごとに車を買い換えるとすると、80歳までの間に何度もクルマを購入することになります。

これらのことから、一生涯にかかるクルマの費用はかなりの額になります。車を所有することの経済的側面を理解することは、賢くライフプランを組み立てる上で重要になります。一生涯にかかるクルマの費用について、もう少し詳しく見ていきましょう。

普通車、SUV、ミニバンの価格相場

日本における車種別の価格相場を見てみると、幅広い選択肢が存在します。

• 普通車の価格帯は150万円から300万円程度で、多くのドライバーに適した価格帯です。
• SUVはやや高価格帯で、200万円から500万円となっており、多機能性を求めるユーザーに適しています。
• ミニバンは200万円から700万円と、ファミリー層に人気のある広い価格範囲を持っています。

車のタイプ	車両価格相場
普通車	約150万円~300万円
SUV	約200万円~500万円
ミニバン	約200万円~700万円

自動車税、重量税、自動車保険の年間の費用

クルマを所有する際には、自動車税、重量税、自動車保険という年間費用が発生します。

自動車税は車の種類や排気量によって異なり、例えばコンパクトカーであれば29,500円。重量税は車検時に徴収され、普通車では約16,400円です。自動車保険は車両の種類、運転者の年齢や運転歴、契約の内容によって変わりますが、損害保険算出機構によると年間で約56,198円が平均です。これらの費用は車を維持する上で避けられないものであり、車を所有する際の計画にはこれらのコストを考慮する必要があります。

自動車税

排気量	年額
１ﾘｯﾄﾙ以下	２９，５００円
１ﾘｯﾄﾙ超～1.5ﾘｯﾄﾙ以下	３４，５００円
1.5ﾘｯﾄﾙ超～ ２ﾘｯﾄﾙ以下	３９，５００円
２ﾘｯﾄﾙ超～2.5ﾘｯﾄﾙ以下	４５，０００円
2.5ﾘｯﾄﾙ超～ ３ﾘｯﾄﾙ以下	５１，０００円

出典：国土交通省（自動車税）

重量税

車両重量	右以外	13年経過	18年経過
0.5t以下	8,200円	11,400円	12,600円
～1t	16,400円	22,800円	25,200円
～1.5t	24,600円	34,200円	37,800円
～2t	32,800円	45,600円	50,400円
～2.5t	41,000円	57,000円	63,000円
～3t	49,200円	68,400円	75,600円

出典：国土交通省（令和5年度税制改正に伴う自動車重量税）

自動車保険の平均

車種	年間保険料平均	(契約台数)	(保険料合計)
自家用乗用車（普通）	73,405円	17,528,238台	1,286,658,384千円
自家用乗用車（小型）	56,198円	15,002,818台	843,125,113千円
軽四輪乗用車	50,065円	18,842,062台	943,322,427千円

出典：損害保険料算出機構（2022年自動車保険の概要、102ページ）

ガソリン代、修理費、駐車場、有料道路など

車を所有するということは、購入費用だけでなく日々の維持費も重要です。

日本自動車工業会の調査によると、ガソリン代、修理費、駐車場代、有料道路料金などの平均維持費は月額約11,300円となっています。これは、日常の移動や車のメンテナンスに欠かせない経費です。ガソリンの価格変動や予期せぬ修理費、地域によって異なる駐車場代など、これらのコストは生活スタイルや車の使用頻度に大きく影響されます。

引用：日本自動車工業会（2021年度乗用車市場動向調査報告書:17p）

クルマの買替えサイクル

自動車の所有期間は、個人のライフスタイルや経済状況により大きく異なりますが、日本自動車工業会の調査によると、平均的な車の保有期間は約7.1年です。

引用：日本自動車工業会（2021年度乗用車市場動向調査報告書:27p）

運転をやめる年齢

日本自動車工業会の調査によると、60歳以上で運転を「80歳まで」と考えている人は40%です。年齢別では、60代は「75歳まで」が49%、70代初頭は「80歳まで」が56%、75歳以上は「それ以上」が46%となっています。

ほとんどの方は80歳までに運転をやめたいと考えているようです。

引用：日本自動車工業会（2021年度乗用車市場動向調査報告書:104p）

一生涯にかかるクルマの総費用

クルマを持つというのは、一見するとシンプルなように見えますが、実際にはいろいろなコストがかかってきます。今回は、コンパクトカーを例に、一生涯にわたってかかる費用を考えてみましょう。

まず、コンパクトカーの購入価格は約150万円です。これは、車を手に入れるための最初の大きな支出です。

次に、年間の維持費を考えます。自動車税は毎年29,500円、重量税が16,400円です。これに加えて、自動車保険の年間料金は統計によると平均56,198円です。これらの費用は毎年支払う必要があります。

さらに、ガソリン代、修理費、駐車場代、有料道路などの日常的な支出も考慮する必要があります。これらの費用は月に約11,300円と見積もれます。

買い替えサイクルは平均して7.1年としましょう。つまり、7.1年ごとに新しい車に乗り換えると考えると、80歳までの一生で何回車を買い換えるかを考えることができます。

これらの情報を元に、一生涯でかかる費用を計算してみましょう。

次の図表は、「年代別」、「コンパクトカー150万円」、「SUV・ミニバン300万円」、別による一生涯の費用をまとめたものです。

年代別	車買換回数	トータル維持費	車種別	トータル車両代	トータル金額
20代 (60年間)	8.45回	1,426.2万円	コンパクトカー	1,267.6万円	2,693.8万円
			SUV・ミニバン	2,535.2万円	3,961.4万円
30代 (50年間)	7.04回	1,188.5万円	コンパクトカー	1,056.3万円	2,244.8万円
			SUV・ミニバン	2,112.7万円	3,301.2万円
40代 (40年間)	5.63回	950.8万円	コンパクトカー	845.1万円	1,795.9万円
			SUV・ミニバン	1,690.1万円	2,640.9万円
50代 (30年間)	4.23回	713.1万円	コンパクトカー	633.8万円	1,346.9万円
			SUV・ミニバン	1,267.6万円	1,980.7万円
60代 (20年間)	2.82回	475.4万円	コンパクトカー	422.5万円	897.9万円
			SUV・ミニバン	845.1万円	1,320.5万円
70代 (10年間)	1.41回	237.7万円	コンパクトカー	211.3万円	449.0万円
			SUV・ミニバン	422.5万円	660.2万円

作成：田中大介

追記：保有台数

最後に、保有台数について調べてみました。乗用車1台の方が65.6％、乗用車２台の方が27.9％、乗用車３台以上の方はわずか6.6％、のようです。保有台数の参考にしてください。

引用：日本自動車工業会（2021年度乗用車市場動向調査報告書:1p）

こうやって考えると、クルマにかかる費用ってほんと大きいですよね。今回、一生涯にかかるクルマの費用をしらべていて思ったのが、維持費ってクルマと同じぐらいかかるんだなと気づきました。

今回の記事が、賢くライフプランを組み立てる上で参考になれば幸いです。