住宅ローンを考えるとき、多くの人が直面するのが「変動金利」と「固定金利」の選択です。

今日は、なぜ変動金利が住宅ローンにおいておすすめの選択肢と言えるのかについて、詳しくお話しします。

特にローンの初期段階での金利負担を最小限に抑えることができる変動金利は、初期の返済額を軽減し、元本返済をより多く進めるための効果的な手段です。

それでは、変動金利のメリットに焦点を当てて、その理由を解説していきます。

住宅ローンは変動金利がおすすめ

変動金利が住宅ローンでのおすすめの選択肢であるというのが私の主張です。

これは特に、ローンの初期段階での金利負担を最小限に抑えるためです。

住宅ローンを始めた時、借入れた金額が最も多いので、金利の支払いも最も大きくなります。変動金利は、この初期段階での金利を低く抑えることができます。

例として、ローンの最初の10年間で支払う金利の約半分を支払うことが多いですが、変動金利を選ぶことで、この時期の金利負担を減らすことができます。

金利が低いということは、返済額の中で金利が占める割合が少なくなり、より多くの元本を返済できるということになります。

元本を早く減らすことができれば、全体のローン期間における総金利の支払い額も少なくなります。

結論として、変動金利を選ぶことで、ローンの初期段階での金利負担を最小限に抑え、元本の返済をより多く行うことが可能になります。

グラフは借入3,500万円、30年返済で、「固定金利2%」と「変動金利0.65%」と「変動金利0.65%+10年後金利上昇」の3つの総返済額の推移です。

3つの返済金額の推移表です

経過年数(年)0123456789101112131415161718192021222324252627282930
変動金利0.65%3,864 3,735 3,606 3,478 3,349 3,220 3,091 2,962 2,833 2,704 2,576 2,447 2,318 2,189 2,061 1,932 1,803 1,674 1,546 1,417 1,288 1,159 1,031 902 773 644 515 386 258 129 
変動金利0.65%+α4,415 4,286 4,157 4,029 3,900 3,771 3,642 3,513 3,384 3,255 3,127 2,980 2,833 2,673 2,513 2,365 2,205 2,034 1,874 1,723 1,554 1,402 1,243 1,090 937 784 626 468 311 155 
固定金利2%4,689 4,533 4,377 4,220 4,063 3,907 3,751 3,595 3,439 3,283 3,127 2,971 2,815 2,659 2,502 2,346 2,190 2,033 1,877 1,721 1,564 1,408 1,251 1,095 939 782 625 469 313 157 
α:当初変動金利0.65%で10年後金利が2〜4%に上がった場合

以上のように、長期的に見ても、返済の総額を抑えることができるため、変動金利は住宅ローンにおいておすすめの選択肢と言えます。

次のセクションからは固定金利と変動金利の詳細について解説していきたいと思います。

住宅ローンを30年間、固定金利2%で借りた場合

3,500万円借りると総返済額は4,689万円

元金総額利息合計総返済額
3,500万円1,189万円4,689万円

はじめの10年間で払う元本と利息

元本合計利息合計
944万円618万円

※利息618万円は総金利合計1,189万円の半分以上にあたります。

30年、固定金利(2%)のグラフ

30年、固定金利(2%)の推移表

経過年数(年)0123456789101112131415161718192021222324252627282930
借入金利2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%2.00%
返済金額元本(万円)86 88 90 92 93 95 97 99 101 103 105 107 109 112 114 116 119 121 123 126 128 131 133 136 139 142 144 147 150 154 
金利(万円)70 68 67 65 63 61 59 57 55 53 51 49 47 45 42 40 38 35 33 31 28 26 23 20 18 15 12 
(万円)156 156 157 157 156 156 156 156 156 156 156 156 156 157 156 156 157 156 156 157 156 157 156 156 157 157 156 156 156 157 
借入金残高(万円)3,500 3,414 3,326 3,236 3,144 3,051 2,956 2,859 2,760 2,659 2,556 2,451 2,344 2,235 2,123 2,009 1,893 1,774 1,653 1,530 1,404 1,276 1,145 1,012 876 737 595 451 304 154 
利息合計(万円)1,189 1,119 1,051 984 919 856 795 736 679 624 571 520 471 424 379 337 297 259 224 191 160 132 106 83 63 45 30 18 
返済金額(年額、万円)156 156 157 157 156 156 156 156 156 156 156 156 156 157 156 156 157 156 156 157 156 157 156 156 157 157 156 156 156 157 

まとめると

固定金利は、ローンを組む際に金利が固定され、その後のローン期間中は金利が変わらないタイプです。これにより、金利が市場で上昇しても返済額は変わらず、毎月の返済額が予測可能になります。

固定金利のメリットは、将来の金利の上昇に関わらず安定した返済計画を立てることができる点ですが、初期の金利が変動金利に比べて高く設定される傾向があるため、初期の返済額が高くなる可能性があります。

このため、固定金利は金利の変動リスクを避けたい人や、毎月の返済額を安定させたい人に適しています。

住宅ローンを30年間、変動金利0.65%で借りた場合

3,500万円借りると総返済額は3,864万円

元金総額利息合計総返済額
3,500 万円364 万円3,864万円

はじめの10年間で払う元本と利息

元本合計利息合計
1,092万円196万円

30年、変動金利(0.65%)のグラフ

30年、変動金利(0.65%)の推移表

経過年数(年)0123456789101112131415161718192021222324252627282930
借入金利0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%
返済金額元本(万円)106 107 107 108 109 110 110 111 112 112 113 114 115 115 116 117 118 118 119 120 121 121 122 123 124 125 126 126 127 128 
金利(万円)23 22 21 21 20 19 19 18 17 16 16 15 14 13 13 12 11 10 10 
(万円)129 129 128 129 129 129 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 129 129 128 129 129 
借入元金(万円)3,500 3,394 3,287 3,180 3,072 2,963 2,853 2,743 2,632 2,520 2,408 2,295 2,181 2,066 1,951 1,835 1,718 1,600 1,482 1,363 1,243 1,122 1,001 879 756 632 507 381 255 128 
利息合計(万円)364 341 319 298 277 257 238 219 201 184 168 152 137 123 110 97 85 74 64 54 45 37 30 23 17 12 
返済金額(年額、万円)129 129 128 129 129 129 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 128 129 129 129 129 129 128 129 129 

まとめると

変動金利は、最初のうちは金利が低く設定されていますが、時間が経つにつれて金利が変動する可能性があります。これは、市場の金利が変わるたびにローンの金利もそれに合わせて変わるためです。

そのため、変動金利を選んだ場合、最初は返済額が少ないですが、将来的に市場の金利が上がると返済額も増加するリスクがあります。

このタイプを選ぶメリットは、初期の返済額を抑えることができる点ですが、金利が上昇した場合には返済額が増える可能性があるため、そのリスクに柔軟に対応する準備が必要です。

経済サイクルの影響とその金利変動について

経済サイクルの影響とその金利変動についての予測は、住宅ローンを選ぶ際に考慮すべき重要なポイントです。経済サイクルとは、経済が良い時期と悪い時期が交互に来るということです。このサイクルは住宅ローンの金利に影響を与えます。

経済が良い時、例えば景気が上向きで物価が上がる時、中央銀行は金利を上げることが多いです。これは、物価の上昇を抑えるためです。金利が上がると、住宅ローンの返済額も上がる可能性があります。特に変動金利のローンを選んでいる人はこの影響を受けやすいです。

一方で、経済が悪い時、中央銀行は金利を下げることがあります。これは、経済を刺激するためです。金利が下がると、住宅ローンの返済額が減る可能性があります。これも変動金利のローンに特に影響します。

このため、住宅ローンを選ぶ時には、経済サイクルと金利の将来の動向を考えることが大切です。金利が上がる可能性がある場合、それに備えて返済計画を立てる必要があります。また、金利の変動に柔軟に対応できるように、ローンの種類を選ぶことが重要です。変動金利のローンは、金利の上下によって返済額が変わる可能性があるので、その点を考慮する必要があります。

次のセクションでは、10年間変動金利で借りていた場合で、その後に金利が2〜4%の範囲で変動し始めた場合のシミュレーションをしてみます。

30年間、変動金利0.65%で借り、10年後から金利が上がった場合

次は10年間変動0.65%でその後、経済の状況の変化で金利が2~4%とランダムに変動し始めた場合のシミュレーションです。

3,500万円借りると総返済額は4,415万円

元金総額利息合計総返済額
3,500 万円915 万円4,415 万円

はじめの10年間で払う元本と利息

元本合計利息合計
1,092 万円196 万円

30年、変動金利(0.65%)のグラフ

30年間、変動金利0.65%で借り、10年後から金利が上がった場合のグラフ

30年、変動金利(0.65%)の推移表

経過年数(年)0123456789101112131415161718192021222324252627282930
借入金利0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%0.65%2.00%2.00%3.00%3.00%2.00%3.00%4.00%3.00%2.00%4.00%2.00%3.00%2.00%2.00%2.00%3.00%3.00%3.00%2.00%2.00%
返済金額元本(万円)106 107 107 108 109 110 110 111 112 112 99 101 94 97 108 103 99 109 119 110 125 122 131 133 136 136 140 144 150 152 
金利(万円)23 22 21 21 20 19 19 18 17 16 48 46 66 63 40 57 72 51 32 59 27 37 22 20 17 22 18 13 
(万円)129 129 128 129 129 129 129 129 129 128 147 147 160 160 148 160 171 160 151 169 152 159 153 153 153 158 158 157 156 155 
借入元金(万円)3,500 3,394 3,287 3,180 3,072 2,963 2,853 2,743 2,632 2,520 2,408 2,309 2,208 2,114 2,017 1,909 1,806 1,707 1,598 1,479 1,369 1,244 1,122 991 858 722 586 446 302 152 
利息合計(万円)915 892 870 849 828 808 789 770 752 735 719 671 625 559 496 456 399 327 276 244 185 158 121 99 79 62 40 22 
総返済額(万円)4,415 4,286 4,157 4,029 3,900 3,771 3,642 3,513 3,384 3,255 3,127 2,980 2,833 2,673 2,513 2,365 2,205 2,034 1,874 1,723 1,554 1,402 1,243 1,090 937 784 626 468 311 155 
返済金額(年額、万円)129 129 128 129 129 129 129 129 129 128 147 147 160 160 148 160 171 160 151 169 152 159 153 153 153 158 158 157 156 155 

まとめると

以上のように当初変動金利で0.65%で借りていて、10年後に金利が上昇し始めても、最初の10年間借入元本を多く返済できることが、固定金利の2%を上回る返済総額にはならないことがわかりました。

まとめ

本日のブログでは、住宅ローンにおける変動金利のメリットについて詳しく見てきました。

特に、ローンの初期段階において金利負担を軽減できる点が大きな利点です。

変動金利を選択することで、初期の返済額を抑え、より多くの元本を返済することが可能になります。これにより、長期的に見ても総返済額を減らすことができるため、住宅ローンを検討している方には変動金利がおすすめです。

住宅ローン選びの際には、このポイントをぜひ参考にしてください。

今日は記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

田中 大介(たなか だいすけ)

有限会社安全保険事務所代表取締役
生命保険募集人、損害保険募集人、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

こんにちは!私はライフプランの立て方やお金の使い方についてアドバイスするのが得意です。投資の勉強が特に好きで、資産運用ついて熱心に学んでいます。趣味のトライアスロンで、健康的なライフスタイルを楽しんでいます。お客様の夢や目標をサポートするのが楽しみです。何か質問や相談があれば、お気軽にどうぞ!


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